戦後73年を迎えた日本は、第二次世界大戦の反省を教訓とし、平和国家として歩んできた。現行の憲法には、戦力の保持を制限する条項が存在していることから、世界でも有数の実力部隊を持たない国家である。日本は73年間戦争を行うこともないことから、戦力の不保持は平和をもたらすものだと考えられてきた。一方で日本が平和を維持できたにのには、別の要因もある。1951年に「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」という条約が締結され、国会がこれを批准している。俗にこの条約は「日米同盟」と呼ばれるものである。日本の国土にアメリカ軍を駐在させ、安全保障はアメリカに頼るものである。世界一の軍事国家であり、核兵器保有国でもあるアメリカの傘に守られたからこそ日本では戦争が起きなかったという意見も存在する。
現在、憲法改正議論が活発になる中、両者の意見が激しく対立している。前者は憲法での効力、後者は日米同盟での効力として簡単に説明できる。具体的な議論として、前者は憲法での平和を唱えていることから、非現実的でお花畑な論理であると批判される。一方後者は、アメリカの軍事力に依存していることで様々な弊害が生じる。アメリカが軍事を負担していることから、外交で不利益が生じることや、日本が安全保障で無責任であると批判される。このような二つの視点から見て日本は憲法議論で分断されていることがわかる。73年も平和を保っていた日本は今までタブーとされてこなかった憲法を変える必要があるのか否か国内で意見をまとめる時がきた。
憲法で戦力の不保持を定めているのは、9条の条文である。憲法9条には第1項の内容である「戦争の放棄」、憲法第9条第2項前段の内容である「戦力の不保持」、憲法第9条第2項後段の内容である「交戦権の否認」の3つの規範的要素から構成されている。このように明記する憲法9条を、安倍政権が2020年までに9条の第3項を加える形で、憲法の改正、またそれに伴う公布を目指している。こうして改正を行うのには憲法に大きな矛盾が生じているからだ。自衛隊の軍事力、軍事費はイギリスに次ぐ5番であり、日本に軍隊がないとは言えない。旧来から自衛隊は災害などの有事に救済に当たる部隊であると政府はカモフラージュしてきた。軍事力、軍事費を見ても自衛隊はれっきとした実力部隊であることがわかる。
近接する北朝鮮情勢が悪化する中、日本はこの議論から逃れてはならない。自衛隊という存在をカモフラージュするのではなく、憲法議論を活気に行う必要がある。いずれかは、国民投票によって判断すべきではないだろうか。(1083文字)
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