・子宮頸癌とは
子宮頸癌は婦人科のガンで最も多いガンである。子宮頸癌の発生の多くはヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連していて、HPVは、性交渉で感染することが知られているウイルスである。子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られている。HPV感染そのものはまれではなく、感染しても、多くの場合、症状のないうちにHPVが排除されると考えられている。HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられる。妊娠時、体内で子供を育てるときには胎児を育てる入れ物になるため、出産において重要な器官である。女性の多くは出産をして子供を授かることを望み、子宮癌を予防するため青年期に子宮頸癌ワクチンを摂取している。
・年々減少するワクチン接種患者
ところが昨今では女性のワクチン接種患者の数が減少している。
*引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000289.000002943.html
Q6の表において子宮頸癌ワクチン接種患者の割合は10歳〜14歳が1,9%、15歳〜19歳が71,4%と高めで20歳〜24歳32,6%である。10歳〜14歳が低い水準にあるのは2013年に朝日新聞によって東京都内の女子中学生の報道境に「ワクチンはネガティブであるもの」だと認識され、さらに厚生労働省は積極的な投与推奨を中止するよう医療機関に通達したことでワクチン接種患者は激減した。15歳〜19歳は比較的高い水準にあった。それは2009年に日本で子宮頸癌ワクチンの投与が認められ、導入時にメディアが好意的に報道していたことからである。20歳〜24歳ではワクチン接種適齢期が9歳〜13歳であり、日本に投与が許可された2009年には対象者が少ないのでそこまで高い水準とならなかった。しかし15歳〜19歳全ての人はワクチン接種適齢期であるのに関わらず、接種患者の割合は最も少ない。これはメディアが「ワクチンはネガティブなものだ」とキャンペーンを行なったことの影響が顕著に見られることができる。
・実際ワクチンに悪影響はあるのか
実際ワクチンを接種した女性の中にめまいや激しい痙攣を引き起こす人もいた。当時メディアも被害者女性ばかりクローズアップし、ワクチン=危険と喧伝した。これらは果たして事実なんでしょうか?
多くの小児科や精神科に話を伺ってみると違う事実があった。ある小児科の医師によると子宮頸がんワクチンが導入される前からこの年齢のこういう症状の子供たちはいくらでも診ていたという。ワクチン接種適齢期の9歳〜13歳は思春期真っ只中であり、導入前に見られた痙攣などの症状も同時期に発症する子供が多いことからワクチンの影響だとは容易には言えない。
科学的な根拠もなく無責任なメディアがワクチン=危険と報道したことで子宮頸癌をワクチンを摂取する女性が激減した。子宮頸癌を発症する女性は20代でワクチンを接種していない人の割合が最も多く見られる。そのため現在10歳〜14歳の女性が20代になったらより多くの人が子宮頸癌を発症することが推測できる。この事例からメディアによる影響力は大きいことが顕著に伺うことができました。いつから日本が女性に優しい国になるのか、決して政治的な問題ではなくメディア報道のあり方にも大いに問題があるでしょう。
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